リワークは何をする?リワークの流れについて
目次
- ざっくりとしたリワークの流れ
- ①生活習慣のアドバイスを受けながら、生活リズムを整える
- ②毎日クリニックに通えるようになる
- ③気分、体調を整えるためのセルフコントロールの方法を学ぶ
- ④セルフモニタリングのために自分のサインや特徴、クセを集める
- ⑤セルフモニタリングとセルフコントロールを日常で実践してみる
- ⑥(復職時、会社的に可能であれば)リハビリ出勤する
- ⑦本復職する(場合によってはクリニックのサポートを得ながら)
- ⑧アフターフォロー(復職後、就職後のケア)
- 最後に
ざっくりとしたリワークの流れ
今回はリワークプログラムがどのように進んでいったか、流れをまとめてみようと思います。
あくまで私の通っていたクリニックでの流れになりますので、参考までにといった感じですが・・・
ザックリとした流れは以下のようになります。
①生活習慣のアドバイスを受けながら、生活リズムを整える
②毎日クリニックに通えるようになる
③気分、体調を整えるためのセルフコントロールの方法を学ぶ
④セルフモニタリングのために自分のサインや特徴、クセを集める
⑤セルフモニタリングとセルフコントロールを日常で実践してみる
⑥(復職時、会社的に可能であれば)リハビリ出勤する
⑦本復職する(場合によってはクリニックのサポートを得ながら)
⑧アフターフォロー(復職後、就職後のケア)
順番に軽く説明していきたいと思います。
①生活習慣のアドバイスを受けながら、生活リズムを整える
右も左もわからない状態でまず何をするかというと、生活習慣を整えることから始まります。
休職(辞職)したばかりだと、ものすごく体調が悪く、毎日起きるのがやっとという方も少なくないと思います。(そもそも寝れませんという人も良くいます)
体調が悪い時に「こういう風に考えることもできますよ!」とか言われても、入ってこないですよね。
ですから、まずは体調を整えるために睡眠や食事、運動などの健康のための生活習慣を整えることをしていきます。
このタイミングでは、「なぜそれが必要なのか?」という説明は簡単に済ませて、実際に生活習慣を変えていきます。
一言で生活習慣を整えると言っても、たとえば、食事について何を食べるべきか、食べる時間、食事の取り方・・・いろいろあります。
もちろん一度に色々なことを覚えて対応することは難しいですが徐々に慣れていきます。
また、この時期はスマホを触る、外出する、外食する、友達と遊ぶなど、生活上で「必要」でないことはバッサリとカットすることを求められます。
「必要」でないことにエネルギーを使うと体と脳(心)の回復が遅れてしまうからです。
これが結構大変ですし、苦痛を伴うこともあります。
大切なのは、少しでも良いので実践してみることです。
それが体調の回復につながっていきますし、今後の生活リズムの基本ができてくるのです。
②毎日クリニックに通えるようになる
①で生活習慣を整え、必要最低限の行動をする生活(物足りない生活)をすると、徐々に体と脳は回復し、睡眠も安定して、一日の生活のリズムができてきます。
結果、毎日クリニックに通えるようになり、いよいよリワークプログラムの内容を学ぶ準備ができた状態になります。
また、休職されている方はこのあたりから、会社への報告や面談を行うことがあります。
③気分、体調を整えるためのセルフコントロールの方法を学ぶ
①で実践した内容について、より深く「なぜ、必要なのか?」を学びます。
また、睡眠、食事、運動などの生活習慣だけでなく、自分の病気に対する知識(病識)や精神薬について、コミュニケーションやストレスへの対処の方法、認知行動療法なども学びます。
広い範囲を学ぶことになるため、それなりに時間もかかります。
また、グループワークと言って、他の参加者の方と討論を行うことで、知識の整理をしたり、自分になかった気づきを得る機会もあります。
グループワーク自体がコミュニケーション方法の練習の場にもなります。
④セルフモニタリングのために自分のサインや特徴、クセを集める
より早く自分の状態に気づくために、鬱(躁・軽躁)状態の時に出る身体症状、気分症状(サイン)を集めていきます。
その症状は状態の強さで言うと、どのくらいの時(軽い時、重い時)に出ているのかを意識して集めます。
そうすることで、軽い症状が出たときに自分の状態に気づきやすくなります。
また、双極性障害はASD(アスペルガー)やAD/HD(注意欠陥/多動性障害)などの発達障害やその傾向がもつ「クセ」「特徴」に助長されることがあります。
例えば、ASD(アスペルガー)の特徴の一つである、「こだわりが強い」ことにより行動量を増やした結果、双極性障害の躁(軽躁)状態を助長し、状態をより強めてしまうことがあります。
その結果、強い躁状態やその反動での強い鬱状態を引き起こしてしまう危険性が高まります。
私も発達障害の診断そのものは受けていませんが、心理テストの結果、発達障害の「傾向」があることがわかりました。
このような発達障害由来と思われる「特徴」もつかんでおけば準備や対処の工夫ができるようになり、コントロールしやすくなります。
私の通っていたクリニックでは、皆さん何かしらそのような発達障害の傾向をお持ちのようでした。
このステップも非常に大切で時間をかけて取り組むべき部分です。
⑤セルフモニタリングとセルフコントロールを日常で実践してみる
学んだ知識を実際に日常生活で使ってみます。
自分のサイン、特徴を確認し、日常生活の中での気づきを増やしていきます。
悩んだ時はスタッフに相談し、アドバイスを求め、より日常生活で使えるように訓練していきます。
また、ある時はチャレンジとして、今まで控えていた外出をしたり、友達と会ったり、自分自身がそのような状況に置かれてどのようにコントロールできるのかを確認してみたりします。(もちろん、事前にシミュレーションをして準備をします)
このようにして、少しずつ対応できる力と自信をつけていきます。
⑥(復職時、会社的に可能であれば)リハビリ出勤する
条件的に可能な場合は、職場の中でのセルフコントロールができるかを確認することを目的にリハビリ出勤をしてみます。
いきなりぶっつけ本番で仕事をするよりも、職場で起こるいろいろな状況に対し、クリニックに通っていた時と同じようにコントロールできるのか確認することで課題が明確になること、クリニックに通院するタイミングが残っているので安心感があり、課題の解決に対しても取り組みやすくアドバイスを受けることができることがメリットです。
もちろん、リハビリ出勤中に体調を崩してしまうことも想定されますが、あくまでも「リハビリ」であって「仕事」とは異なるので、それはそれでよい経験と捉え、出てきた課題に対する対処を考えればよいのです。
⑦本復職する(場合によってはクリニックのサポートを得ながら)
いよいよ、本復職(仕事に戻る)です。
今まで学んだ知識と気付きで、職場や日常生活で起こる様々な状況に対応していきます。
ですが、いきなり1人だけで全部やるというのも不安もありますし、難しいこともあるかと思いますので、クリニックに確認しながら慎重に進めていきます。
また、復職までのタイムリミットが短く、学習が不十分な場合は、とりあえず復職して、出てきた課題をクリニックと相談しながら対応していく場合もあるようです。
⑧アフターフォロー(復職後、就職後のケア)
復職してからの生活習慣、生活リズムの乱れや、新たに発見した課題、相談したいことなどをチェックするため、定期的にクリニックに通院します。
定期メンテナンスのようなイメージで、再発防止に努めます。
最後に
私の通っていたクリニックでは大まかにはこのようなステップで進みました。
それぞれの細かな内容については別途記載したいと考えています。
私はリワークに通って復職するまでに約8か月かかりましたが、会社との条件でもっと短い期間で復職せざるを得ない方や、状態が安定せず年単位で通っておられる方もおられます。
それぞれに与えられた条件が異なる中でも、自分自身をコントロールする方法を同じ志を持つ仲間のような方々に囲まれて学べたことは非常に良い経験になったと思っています。
以上、リワークは何をする?リワークの流れについて でした。